自転車乗りの聖地、国道308号線「暗峠」越え

×国道 ○酷道308号線IMG_2736

今回僕たちは、TV特集などであまりにも有名になった「暗峠」越えに挑戦しました。そもそも暗峠とは、奈良県生駒市西畑町と大阪府東大阪市東豊浦町との境にある峠のことで、現在は国道308号及び大阪府道・奈良県道702号大阪枚岡奈良線(重複)が通っています。 標高は455mほどであまり高くはありませんが、坂の傾斜が想像を絶するほど急で険しく、歴史的にも難所として有名なため、自転車乗りの聖地とも言われています。今回は、東大阪側から奈良県に向けて峠を越えましたが、坂の途中は緑が茂り、滝が流れているところもあってとても自然に溢れています。ハイキングコースとしても有名です。

とりあえず、僕らはこの坂を完全になめていました。「いくらなんでも、登れないなんてことはないでしょ〜」「どうせあと少しで着くって!」そんな甘い会話をしていられるのも体力に余裕があるうち。歴史の道は、そんな僕らに容赦なく洗礼を下してきました。IMG_2693

峠の序盤はまだ民家も何軒かあり、坂自体もまだ緩やかです。(それでもだいぶ急勾配ですが)まだ気持ちはわくわくどきどきの状態です。IMG_2716

道の途中には、「ここはちゃんとした国道です!」と言わんばかりの標識が、何度も何度も立てられています。IMG_2722

うお〜!上から宅急便の車来たよ!ほんとにここ国道なんだ!なんてウキウキしていられるのも今のうち。IMG_2742 (1)

角度がこれくらいになり始めてから、「これやばいんちゃう?」ってなってきます。でもまだ、「まあでももう少しでしょ!」と余裕はある。

坂道ですれ違う人には、元気よくあいさつをするのがマナー。「どっから来たん?」「東京からです!」「頑張ってな!」という会話がたびたび起こりました。IMG_2744

暗峠は、松尾芭蕉が「奥の細道」で最後の旅をしたとされる場所でもあります。そのときに詠んだ句が、記念碑として坂の途中の休憩所付近に立てられていました。「菊の香に くらがり登る 節句哉」このとき芭蕉が詠んだ句です。IMG_2749

このあたりから、「ハァハァ、うおー、こんなところにお寺あるよー、ハァハァ…あとどんだけあるんだよ」という状態に。写真の急勾配を見てもらえれば、その険しさが目に見えてわかると思います。これが3〜4㎞続くんですよ、足腰が言うこと聞かなくなってくるわけです。IMG_2750途中ハイキングコースと連結している地点に、真っ赤な橋が架かっており、そこからこんな綺麗な滝を見ることができました。ちょっとここで一休み。実はこの時点で汗だく、足腰の限界までHP25くらいですかね。かなりきてます。IMG_2759

だんだんと口数が少なくなってくるのがこのあたり。「まだあんのかよ〜」「マジかよ」「ゆーてもうちょいやろ」の繰り返し。

実際ここからまだまだ相当長く続いており、傾斜もさらに急になっているのですが、さすがにカメラに意識がいく余裕もないくらい足腰は限界で汗もかき、気力がなくなってきました。まだ?まだ?まだ?そんなことを心の中でつぶやきながら、一歩一歩進むしか無いのです。多くの人が、ここを制覇するとステータスになるとブログに書いています。それは、間違いないと思います。この峠を大きな荷物を持って自力で登り切ることができたら、これからの旅の中でこれを超える坂道は絶対に無いだろうと自信がつきます。

でも実は僕たちには頂上まで登ることへのモチベーションがもうひとつありました。それは、頂上にある「峠の茶屋 すえひろ」というお茶屋さんです。これも、冒頭にも書いた香坂みゆきの酷道番組で特集されており、登り切った後にそこで食べる「野菜カレー(ヘルシー)」が最高に美味しいらしいのです。すでに15時を回っていましたから、僕らのおなかはいよいよ背中とくっつきそうでした。こりゃあ登るしかない!途中途中若干の休憩を挟みながら、切れそうなアキレス腱をなんとか我慢して見えてきたのは…IMG_2768

着いた!!!!!!!!!

そうです、ここが頂上の大阪と奈良の県境。上の写真には奈良県の標識が。反対側には…IMG_2777

大阪府の標識があります。何回も言いますが、この石畳の道が国道ですよ!まるで信じられない。。でもとにかく「着いた〜!!!!!」このときの達成感はまさに「ハンパない!」さっそくすえひろで一休みです。IMG_2781

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よく見るとすえひろの扉には有名人のサインがびっしり!有名な桂文珍さんのサインや、プロレスラーのサインなど幅広いジャンルの方がたがこの地を訪れているようです。IMG_2784

念願の野菜カレーは¥500。おなかがぺこぺこだった僕らは思いきって2杯も食べちゃいました!登り切ってへとへとになった後に食べたすえひろでのカレーは、それほど美味しかったのです!IMG_2785

他にも、美味しそうなメニューがたくさん並んでいましたよ!すえひろのおじさんおばさん達はみんな気さくな方ばかりで、僕らが自転車と大荷物を抱えて登ってきたことを大いに讃えてくれたし、その後も様々な会話がはずみました!IMG_2778

実はこの道は、「日本の道100選」というのにも選ばれていて、本当に有名な道なんです。IMG_2802

あ〜、本当に登ってきて良かった。こんなにしんどい思いをしたのはいつぶりだろう?きっとこの付近の高校の運動部の子達は、ここをトレーニングさせられてるんだろうなあ。この近くの高校じゃなくて良かった。そんな冗談を思いついたときには、汗が冷え切って少し寒くなり始めていたのでこの辺でビシッと記念写真を撮って奈良方面へそのまま308号線を下ることにしました。IMG_2805

視界が開けてくるともうそこは奈良県です!このまま一気に京都まで行くぞ!そんな元気までみなぎってきましたが、よく考えたらここから京都まではまだ40㎞もあるんでした。とほほって感じでしたが、まあなんとかなるでしょ!この暗峠を越えた男達に不可能はない!

そんな大きな自信を持たせてくれるこの暗峠。もしまた機会があれば、是非登ってみたいです!でもそのときは、もう自転車じゃなくてもいいかな〜。だって自転車、相当重かったんだもん。IMG_2774

 

3月21日(2日目) 大阪〜暗峠〜京都 走行距離90.0㎞

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【国道308号線 暗峠】

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